今や誰でも本を出版できる時代になりました。かつては出版社に原稿を持ち込み、高額な費用や長い審査を経てやっと世に出るのが「出版」でした。しかし現在は、Amazon Kindleなどの電子書籍プラットフォームを使えば、自宅のパソコン一つで世界中の読者に向けて本を発信できます。
また、電子書籍のデータを作ってくれるサイトもたくありますので、原稿を書くことさえできれば、簡単に出版することができるようになりました。ただし、それらの中でも、最も手軽で簡単にできるのが、Amazon Kindleだと言えるでしょう。
とはいえ、「難しそう」「パソコンが苦手」という不安もあるかもしれません。でも安心してください。ここでは、まったくの初心者でも電子書籍を出せるように、簡単でわかりやすいステップを追って解説します。
電子書籍とは、スマートフォンやタブレット、パソコンなどで読むことができるデジタル形式の本です。紙の本とは異なり、物理的な印刷や在庫が不要なため、費用や手間をかけずに出版できます。
特に個人で出版する場合、Amazonが提供している「Kindle ダイレクト・パブリッシング(KDP)」が最も利用されています。これは、原稿と表紙画像をアップロードし、簡単な設定をするだけで、AmazonのKindleストアで自分の本を販売できるサービスです。登録も無料で、印税は最大で70%。まさに「個人作家時代」を支える存在といえるでしょう。ここでは、手軽なKDPを利用した出版を紹介します。
ここからは、実際に電子書籍を出版するための流れを5つのステップに分けて解説します。
まずは「何について書くか」を決めましょう。おすすめは、自分の得意分野や経験談です。例えば、子育てのコツ、副業の実践記録、趣味のノウハウ、海外旅行記、病気の闘病記など、あなたの人生の中に“誰かに役立つ”ネタはたくさんあります。
また、「誰に読んでほしいか」を明確にすることも大切です。たとえば「40代のワーキングマザー」「副業に悩むサラリーマン」など、読者像を具体的にイメージすると、自然と書くべき内容が見えてきます。
原稿はWordやGoogleドキュメントなど、ふだん使っている文書ソフトで十分です。縦書きでなくてOK、見出しや改行を使って読みやすくしましょう。
書くときのコツは「最初から完璧を目指さない」こと。途中で手が止まるくらいなら、最後まで書ききってから推敲すれば大丈夫です。とにかく、読みやすく、伝わりやすく。自分が読者だったらどう思うか?という視点を忘れずに。
原稿が完成したら、読みやすく整形しましょう。改行の位置や余計な空白、文中の記号(「……」や「――」など)を統一して、読みやすさを整えます。
次に、校正です。誤字脱字はもちろん、「同じ言葉の繰り返し」や「主語と述語の不一致」などもチェックしましょう。音読すると違和感に気づきやすくなります。また、家族や友人に読んでもらうのも良い方法です。
表紙は本の「顔」。読者の興味を引き、本を手に取ってもらえるかどうかに大きく関わります。
デザインの知識がなくても、「Canva(キャンバ)」などの無料デザインツールを使えば、簡単におしゃれな表紙が作れます。テンプレートも豊富で、文字を入れ替えるだけでも十分プロっぽく見えます。
表紙画像の推奨サイズは、1600ピクセル × 2560ピクセル(JPEG形式)。タイトル、著者名、背景画像の3つが見やすく配置されていることがポイントです。
いよいよ出版です。KDPの公式サイト(https://kdp.amazon.co.jp/)でアカウントを作成し、次の流れで登録します。
書籍のタイトルや説明文を入力
原稿ファイル(Wordなど)と表紙画像をアップロード
販売価格を決定(250円以上が推奨)
出版ボタンを押す
数時間〜1日程度でAmazonに掲載され、全世界で販売可能になります!
出版しただけでは、なかなか読まれません。そこで、広報活動が大切です。
たとえば、自分のSNS(X〈旧Twitter〉、Instagram、Threadsなど)で「出版しました!」と告知するだけでも、身近な人たちに届きます。また、ブログを持っているなら記事で紹介するのも効果的です。
さらに、Amazon内で「レビューをもらう」「カテゴリーを工夫する」「タイトルを改善する」などのテクニックもあります。電子書籍は、出版後にいくらでも内容や表紙を変更できるのが強み。反応を見ながら改善していく姿勢が成功への近道です。
電子書籍出版は、思っているよりずっと身近で、気軽なものです。必要なのは、少しの勇気と、書きたいという気持ちだけ。
「完璧じゃなくていい」「売れなくても意味がある」。まずは1冊、自分の思いをカタチにしてみましょう。経験は必ず次につながり、誰かの心に届く言葉になるはずです。
あなたの本が、誰かの人生を変えるかもしれません。